国立新美術館で開催中の「草間彌生 わが永遠の魂」展に行ってきました!
混雑しているのは予想通りでしたが、外国からの観光客の方もとても多くて、草間彌生さんの世界的知名度の高さを実感できる展覧会でした!
GWとかは確実に混むかと思いますので、混雑を避けたい場合は平日や金曜の夜に行けるチャンスがあればそこを狙った方が良さそうです!5/22までですのでお急ぎください!
Contents
草間彌生ってどんな人?
草間彌生は、1929年の長野県松本市出身の前衛画家です。いや、パフォーマンスや執筆もしているので、総合的に前衛アーティストと呼んだ方が合っていそうですね。別名「前衛の女王」。

(引用:wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/草間彌生)
草間彌生と言えば「あの水玉の人だよね?」と思う方も多いのではないでしょうか?私も「草間彌生=直島の黄色いかぼちゃ」のイメージがとても強かったです。
草間彌生にとっての水玉ってどういうモチーフなんだろうと思っていたのですが、小さい頃からテーブルクロスの模様が部屋中に見えたり、例の水玉模様が目の前に見えたりと、幻聴や幻覚に悩まされていたんだそうです。なんと植物や動物の話声も聞こえていたようです。
そこで、その恐怖から逃れるために、自身が見えているものを描き起こし始めたのがアーティスト活動の始まりとなります!
最初の活躍の場となったのは、なんとNY!草間彌生は1957年に単身NYに渡り、前衛芸術家として絵画・パフォーマンス・ファッション等幅広いジャンルで精力的に活動をし、高い評価を得ます。当時女性で前衛的な活動をしている人も少なかったようで、その点でも目立った存在だったようですね。
今ではあのタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出され、日本では文化勲章も受章しており、日本を代表する世界的アーティストとして評価を得ています。
草間彌生さんの活躍はざっくり分けて以下の4つに分けることができます↓
渡米後:「編み目・水玉」時代
今回の展覧会でもとても素敵な作品が数点展示されていましたが、NYに渡った後に草間彌生は「ネット・ペインティング」で一躍有名になりました。「ネット・ペイティング」とは、編目を反復させてキャンバスを覆った作品で、水玉の作品たちにも見られるような草間彌生の「反復」のスタイルがここで確率されます。この反復のスタイルはアンディ・ウォーホルにも影響を与えたと言われています。
その一つのモチーフの反復させたものを今度はどんどん「増殖」させていくことで、あの代表的な模様の水玉たちがこの時代に生まれます。
写真ではなかなか良さが伝わらない気がしますが、ネット・ペインティングはこんな感じ↓ 展覧会では白ベースのネット・ペインティングも見ることができたのですが、一見シンプルだけれども味があってとても素敵な作品たちでした。
(引用:Brutus Casahttps://casabrutus.com/art/38841/2)
水玉の「反復」と言えばこのかぼちゃが有名ですね。直島に見に行ってみたい。。
(引用:直島観光旅サイト「直島(なおしま)観光旅サイト」直島町観光協会公式)
60年代:「ソフトスカルプチャー」時代
「反復」・「増殖」のテーマは変りませんでしたが、60年代に入ってからは、性行為に対する憎悪・恐怖に由来してか、男根状の立体物を制作するようになり、ものすごい数を家具や衣類に貼付けた作品を制作するようになります。
今回の展覧会でもいくつかの作品を見ることができます!
60年代後半:「パフォーマンス」時代
今回の展覧会で初めて知りましたが、草間彌生は作品の制作活動だけでなく、アート・パフォーマンスもNYで行っていました。道行く人々の裸体に水玉模様を描いたりと、「ハプニング」と呼ばれるパフォーマンスを行っていました。
今回の展覧会でもその時の動画を見ることができます!
展覧会の外では、水玉のシールを自由に体や会場に貼って楽しむことができるブースもありますので、ハプニング活動に参加してみてはいかがでしょうか?
(引用:http://www.yayoi-kusama.jp/j/happening/《ハプニング「ラブ・イン・フェスティヴァル」》(1968))
また、この時代にはファッショの領域にも足を踏み入れ、ドレスやテキスタイルを制作し、自身のブティックも開店しました。Googleで検索すると出てくるかと思いますが、「イカドレス」はかなりの衝撃です!
帰国後:野外彫刻・「我が永遠の魂」時代
73年に日本に帰国後は、個展を開催したりと活躍を続けていましたが、 94年以降は野外彫刻を中心に創作活動を行いました。この流れで生まれたのが例のかぼちゃたちですね。
あとはルイ・ヴィトンとのコラボも一躍草間彌生の名を有名にしたきっかけとなりました。商品を見た時に衝撃を受けたのを今でも覚えています。
Making of the Kusama Louis Vuitton windows at Selfridges
また、2009年からは、今回の展覧会のメインテーマでもある「わが永遠の魂」シリーズの制作を始め、正方形の絵画群の数を増やしていきました。
展覧会見所
展覧会では、今回の展覧会のテーマでもある「わが永遠の魂」の作品群をまずは見ることができます!このスペースはなんと写真撮影OKなんです!
なかなか写真では伝われないかと思いますが、何枚もある作品が四方の壁一面に展示されており、どれもカラフルで圧巻でした!部屋に足を踏み入れて思わず「わお」と言ってしまう感じです。
「反復」・「増幅」のテーマは変らないものの、目や細胞?をモチーフにした作品が多く、原始的な印象を受ける作品も多かったです。
かぼちゃのイメージが強いので、こちらの上半分の水玉は見覚えのある模様ですね↓
きれいな色だな〜と思ってアップで写真をとってみたら、よく見たら水玉ではなく全てまさかの「目」でした!!草間彌生にとっての目はどのような意味があるのでしょうかね。
会場の外ですが、特別に野外展示として水玉ボールと例のかぼちゃも見ることができます!!
展覧会概要
・会場:国立新美術館 企画展示室1E(〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2)
・会期:2017/2/22(水)〜5/22(月)
・休館日:毎週火曜日
・開館時間:10:00~18:00(金曜日と4/29~5/7は20:00まで開館)
草間彌生をもっと知りたかったら
松本市美術館
草間彌生は長野県松本市出身。松本市美術館は総合美術館ですが、草間彌生の作品を見ることができます。